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研修医・学生の皆さまへ

研修医・学生の皆さまへ

初期研修医の研修プログラム

研修医・学生の皆様へ

筑波大学附属病院の放射線診断・IVR科では、毎日病院内の複数の診療科とカンファレンスをしています。筑波大学の研修医・学生の皆さんが参加されているカンファレンスに必ず放射線科医がいるばずです。放射線診断・IVR科では、いろいろな診療科と連携して、筑波大学附属病院の診療をより良いものにするために一緒に頑張っています。どの診療科で研修しているときでも、画像診断で困ったことや疑問がありましたら、いつでも相談にのりますので、お気軽に読影室までお越し下さい。

研修医・学生の皆さまへ;世界からみた筑波大学の放射線診断IVR科

私は筑波大学放射線科のレジデント研修を修了し、2021年現在、Mayo Clinicにてクリニカルフェローとして勤務しております。このウェブサイトをご覧になっている方は、これから放射線科を専門として志すことを考えはじめた方、放射線科に進むことは決めたけれど、どこの組織に所属すべきか迷っている方が多いかと思います。

私の場合は、将来的にアメリカで放射線科医として臨床・研究に従事したいという希望があり、その礎を築く研修先として筑波大学放射線科の門を叩きました。私が筑波大学にレジデントとして在籍していた当時は、“全身の画像診断を行えるGeneralistを育てる”という方針が徹底されており、大学や関連病院(小児病院を含む)での勤務を経て、様々な疾患や撮像部位に関して、基本的な画像診断ができるように教育的な課程が組まれていました。

この教育指針はアメリカのレジデンシープログラムとも通じるものがあります。現在私は、アメリカ医師免許を取得してMayo Clinicにて腹部画像診断を中心とする専門分野の臨床研修を行っていますが、筑波大学放射線科で学んだ内容は基盤として非常に意義深いものであったとあらためて感じています。

アメリカでは放射線科は非常に人気の高い専門科の一つであり、レジデンシープログラムへのマッチングは高い競争率を維持しています。レジデント終了後はフェローシップに進みますが、その際に選べる専門分野は、Abdominal Radiology, Musculoskeletal Radiology, Neuroradiology, Breast Radiology, Cardiothoracic Radiology, Pediatric Radiology, Nuclear Radiology, Interventional Radiologyなど多岐にわたります。近年では、DR (Diagnostic Radiology:画像診断)とIR (Interventional Radiology: 画像下治療)は異なるレジデンシープログラム枠となり、特にIRのレジデンシープログラムはポジションが少ないため極めて高い人気を集めています。

これほどの人気の理由としては、放射線科医の仕事自体の面白さ、診断から手技までをこなせる業務の幅広さ、ワークライフバランスの良さ、報酬の高さなどの複数の要因が考えられます。

近年のAI(Artificial Intelligence)の急速な発展が放射線科医の仕事を奪うかもしれないという警鐘も耳にしますが、それは翻って、放射線科がAI研究に最も適した専門分野の一つであるということではないでしょうか。

Mayo Clinicでは画像診断の機械学習・深層学習に関する多数のプロジェクトがデーターサイエンティストと共同で進められており、私自身もフェローシップの間に深層学習モデル開発の一端に触れることができました。核医学の分野では分子イメージングの進歩が目覚ましく、日本に先駆けて欧米では様々な診断・治療が実際の臨床で応用されています。

例えば、私自身が米国ではじめて経験したものとして、前立腺癌検出のための11C-Choline PETおよび68Ga-PSMA PET、神経内分泌腫瘍検出のための68Ga-DOTATATE PETなどがあります。さらには、治療に適した低エネルギーのβ線と体内動態をモニター可能なγ線を同時に放出する核種177LuをPSMA, DOTATATEに標識することで、これら腫瘍の転移性病変に対する治療も行われています(Theranostics)。

放射線科では今後も様々な最先端の技術が臨床場面に応用されてくるでしょうし、それによって放射線科医の仕事は機械に代替されるどころか、むしろ業務の幅が広がっていくのではないでしょうか。Academic hospitalの使命が、臨床・教育・研究の三本柱である点は日本も米国も共通だと思います。私が在籍していた当時の筑波大学は、先達のスタッフの先生方のご尽力もあり、臨床および教育において非常に高い水準を維持していました。このことに加えて、私は筑波大学のレジデント研修の間に臨床研究にも注力しました。臨床業務において生じたちょっとした疑問や気づきを論文として形にしてゆく作業は、いろいろな工夫が必要で大変ですが、完成したときの喜びも大きいです。

また、筑波大学では大学病院としては各科間の垣根が低いので、他科の先生方に教えを乞いながら共同研究を進めてゆく楽しみもあります。私は大学院には所属せず渡米しましたが、今後、筑波大学放射線科が新しい方向へ発展してゆく上で、臨床教育のみならず研究教育にも注力されてゆくことと思います。

また、研究に従事すれば将来的な留学などのキャリアパスの多様性も広がると思います。ご興味を持たれた方は一度見学にいらして、最新情報をスタッフやレジデントの先生方に尋ねてみてください。

高橋宏彰 Mayo Clinic, Rochester

初期研修医の研修プログラム

放射線診断医として、一人前に画像診断ができるようになるためには、3つのトレーニングが必要です。

1つ目は、複数の診療科にまたがる広い分野の画像診断の勉強です。時には直接関わらない治療方法なども画像診断をする上では勉強になります。これらの勉強については、日本語でも良い教科書がたくさん出ていたり、オンライン・オンサイトで良い講義や勉強会があったり、勉強しやすい環境がありますので、熱心な先生は場合によっては上級医よりも多くの知識を自分で手に入れることが出来ます。

2つ目は、画像を見る目を訓練することです。実は、何万枚もの正常画像をみることはとても大切です。これはある程度の期間、連続して地道に頑張らないと身につかない能力です。特に研修のはじめの時が重要で、この時期にまとまったトレーニングが出来ないと、その後も読影が苦手のままになってしまいます。放射線科でトレーニングすれば、画像をボーッと(寝ている訳ではなく(笑)、集中して画像全体を見てます)画像を見ることで、病変がすっと分かるようになります。

3つ目は、画像診断報告書(レポート)を書く能力を身につける事です。画像を文字に起こすことは意外と難しいです。放射線科医の書くレポートは、主治医に伝わり、患者さんに反映されて始めて役に立ちます。そのため、主治医が分かりやすいような記載をする必要があります。場合によっては、主治医の顔を思い描きながら、レポートを書くこともしています。

後者の2つについては、放射線科でトレーニングをしないと身につかない能力です。筑波大学附属病院のレジデントプログラムはとても充実したプログラムです。ぜひ、全国からたくさんの人に参加していただければと思います。見学はいつでもお受けしておりますので、筑波大学附属病院臨床教育センターもしくは放射線科秘書までご連絡ください。

卒後教育・専門研修について

研修カリキュラムについて

我々放射線科は,放射線診断・IVRグループとして大学病院内のほとんどの画像診断に関わっています。放射線科専門研修を行う専攻医は,4年間のレジデント期間にほぼ全領域の画像診断を研修すべくカリキュラムが定められており,国立病院の中で最もしっかりした教育体制を築いている病院の一つと自負しています。 日本専門医機構認定 放射線科専門医を取得するためには,X線単純撮影,CT,MRI,超音波,血管造影・IVR,消化管造影,核医学,放射線治療について規定の症例数を経験することが義務づけられています。しかしながら超音波検査や消化管造影等の一部の検査については地域や施設によっては研修が難しい事が問題になっています。そんな中でも筑波大学の放射線科プログラムではこれら全てについて経験を積めることが特徴です。

後期専門研修医1~2年目(シニアレジデント)

単純写真・CTを基本とし,3ヶ月ごとに超音波検査,消化管造影,MRI,血管造影・IVRの部門をローテーションします。全ての画像診断について,スタッフの緊密な指導のもとに,検査計画をたて,検査を実施し,レポートを作成します。この過程を通じて基本的な技術を学び,同時に知識としての診断学を学ぶことになります。放射線科専門医取得に必要な症例数を経験するため,2年目の前半6ヶ月には核医学,放射線治療を3ヶ月ごと研修します。2年目後半には関連病院にて研修を行います

後期専門研修医3~4年目(チーフレジデント)

最初の1年は小児病院を含めた関連病院で引き続き研修を行います。最後の1年間はチーフレジデントとして大学に戻り,若いレジデントに対して指導的立場となり,各セクションで責任を任された仕事をするとともに,個人の好みに応じてsubspecialty(副専門分野)をもち,より深く研修を進めます。日本専門医機構認定 放射線科専門医を取得するためには,少なくとも1演題の筆頭での発表学術集会の発表と学術論文の執筆(研究論文の作成に十分貢献した場合は共同著者であっても認定可能)が義務付けられています。この期間に研究活動,論文作成を行います。国際学会での発表も可能です。

レジデント終了後(卒後7年目以降)

レジデント修了後は引き続き筑波大学に残る人、関連病院に勤務する人、留学する人など様々です。個々の人生設計に合わせて相談して決定します。レジデント終了後に大学院生となってより重点的に研究を進める人もいます(アカデミックレジデント制度を利用して専門研修中に大学院に進学することも可能です)。

レジデントの1週間

ここでは、例として専攻医4年目のチーフレジデントの1週間を呈示します。 レジデントの予定は、チーフレジデント(専攻医3・4年目)が各レジデントの希望を聞いて、計画しています。上級医の予定は、ほぼ固定ですが、レジデントの予定は3ヶ月毎に変更します。午前および午後の検査を半日単位で、CT,MR,超音波,上部および下部消化管造影,IVR,単純写真の各セッションに割り当てます(1週間で10コマ)。卒後臨床研修を修了して、放射線科専攻医になったばかりのシニアレジデント(専攻医1年目)は、CTと単純写真は、1年中通して検査を担当しますが、その他の検査は、3ヶ月毎にローテートします。 ここでは、例として卒後6年目のレジデントの1週間を呈示します。
午前
午後
月曜
IVR
CT
火曜
院外研修
院外研修
水曜
MR
単純写真
木曜
MR
単純写真
金曜
US
注腸造影

月曜日

午前 IVR:肝細胞癌のTACEを中心に、副腎静脈サンプリング、肺AVM塞栓、腎AVM塞栓、大動脈ステントグラフト、膿瘍ドレナージ、CTガイド下生検など多彩な内容の依頼に対して対応します。もちろん、上級医と一緒に。また、出血など緊急のIVRにも対応しています。希望により、neuro IVRにも参加することが出来ます。 午後 CT;一緒に検査を担当する上級医と協力して、時間内に撮影されたCTを全て読影します。紹介受診される患者さんが多いので、一般病院よりも込み入った症例が多いですが、その分、勉強になります。分からない点は上級医に相談しつつ、読影していきます。CTの検査計画作成や臨床医からの緊急CTの相談なども受けます。

火曜日

午前・午後
近隣の一般病院で読影を行います。

水曜日

午前
MR;上級医とペアで担当。この枠のMRは、脳のMRIが多いです。脳腫瘍や、脳血管疾患など多彩な疾患があります。

午後
単純写真;自分で自由に使ってよい時間です。単純写真は一日に数症例が割り当てられます。この時間に読んでも良いのですが、私は空いた時間をみつけて、毎日少しづつ読影しているので、この時間は午前のMRIの読影を引き続き行っています。また、16時からは、消化器カンファレンスがあり、これの担当をしているので、その準備を行う時間にしています。

夜間
平日夜間オンコール;週に一度程度回ってくるオンコール当番の日です。学会発表資料を作成しながら読影室に残っていると、夜20時に急性腹症患者に対する緊急CTの依頼があり、造影CTを撮像しました。セカンドコールの上級医のチェックの元でレポートを確定し、依頼医に画像所見を電話でも伝えました。この日呼ばれたのはこの一件のみでした。

木曜日

午前 MR;上級医とペアで担当。この枠のMRは、腹部・骨盤領域の疾患が多いです。 午後 単純写真;やはり、午前から引き続きMRの読影を行っています。また、18時から、呼吸器カンファレンスがあり、これの担当も行っているので、その準備をします。

金曜日

午前 超音波;腹部の超音波検査を中心に、自分でスキャンして、上級医のチェックを受ける形で、検査を進めていきます。 午後 注腸検査 シニアレジデントと一緒に、検査を担当しています。 カンファレンスは、消化器、呼吸器のほか、脳神経外科、整形外科、乳腺甲状腺外科、婦人科、泌尿器科、小児科、ICUとのカンファレンスがあります。それぞれ、上級医やチーフレジデントが担当しており、レジデントは自由に参加できます。このほか、毎日17時からは、放射線科内の教育カンファレンスがあります。

土曜日・日曜日

土日や祝日のオンコール当番は月1, 2回程度で済むように調整されています。オンコール当番でなければ業務はありません。プライベートの時間を楽しんだり、画像診断の学会や研究会に参加したり、各々好きな時間を過ごしています。

学生実習について

学生実習

筑波大学医学群医学類の学生実習は4年次10月~6年次6月まで行われ、その中で放射線診断・IVR科を選択科目としてローテートすることが可能です。 放射線診断・IVR科の実習は大きく分けて見学、実習、カンファレンスの3つがあげられます。

1. 見学

毎週午前中はIVR検査、月曜日と金曜日の午前中は超音波検査を当科スタッフが行っており、各検査ごとに1人~2人の学生さんが見学しています。放射線診断科=画像読影と思っていた学生さんには新鮮に映るかもしれません。 これらの手技は当科にとって画像読影に並ぶ重要な業務であり、日々各科から依頼される検査内容に対して的確な回答を出せるよう精進しています。

2. 実習

学生さんには各々1つずつ担当症例が割り当てられます。それらを実習時間中に自分で読影し、実習2週目の木曜日と金曜日に発表してもらいます。2週間かけて一つの症例をじっくり考えるということは、臨床の場に立った後もなかなか経験できないことであり、貴重な体験になると思います。 また、毎週昼過ぎにはiPadを使った画像診断演習があり、その場で様々な所見を拾う練習を行います。自分で画像を動かし、時には色調を変えてみたり、断面を変えてみたりと様々な角度から画像を分析してもらい、できるだけたくさんの所見を見つけてもらいます。質問や疑問があればその場で当科レジデントが丁寧に答えます。 講義実習もあり、午後はほぼ連日、当科に関する事柄についてそれぞれ担当のスタッフから講義があります。その内容は下の図にも示すとおり、CT、MRIから放射線被曝まで多岐にわたります。

3. カンファレンス

現代医療において画像検査は必要不可欠であり、その専門家である放射線診断医は他科とのカンファレンスに多数出席しています。学生さんにはそのうち、毎週月曜日の呼吸器カンファレンスと毎週水曜日の消化器カンファレンスに出席していただいています。画像所見によって診断や治療が変わってくる中で放射線診断医の担う役割は重要であり、他科の医師との議論によって方針が決まっていく点を見ていただければと思います。(なお、ほかにも頭頸部や小児科、脳外科カンファレンスなどがありますが、昨今の情勢もあり現在は学生さんの出席は見合わせています。) 科内でのカンファレンスも積極的に行われており、毎週月曜日夕方には担当者が研究や学会発表の予演、抄読会などを行うグランドカンファレンスと、その週に予定されているIVR症例を検討するIVRカンファレンスが行われています。また、隔週火曜日夕方には超音波検査の症例を検討するUSカンファレンス、隔週火曜日と毎週木曜日、金曜日の夕方にはレジデントが主体となり気になった症例や教育的症例を発表するデイリーカンファレンスが行われています。これらのカンファレンスにも学生さんには出席していただいています。 ローテート中は何か聞きたいことがあれば遠慮せずにスタッフ・レジデントに話しかけてみてください。放射線診断・IVR科に興味を持っていただけると我々も嬉しく思います。 当科での実習が学生の皆さんにとって有意義なものになることを祈っています。

後期研修医モデルケース

後期研修医モデルケース

先輩医師からのメッセージ

石黒聡尚

シニアレジデント(卒後4年)

放射線科は、画像診断(CT, MRI, PET, RI, 消化管造影, 血管造影etc.)と手段は限られますが全身を診ることができる非常に魅力的な科です。全身を診るので必然的に多くの科と関わることになりいろいろな科の先生と仲良くなれます。画像診断機器の進歩は著しく(レントゲンがX線を発見してから120年足らず!)、CT・MRIなどの最新機器にふれることができ機械好きには垂涎ものです(…たぶん)。また、画像診断は診察や手術と違って患者さんへの依存が低い(もちろんゼロではない)ので自分の努力次第で上達が比較的早く見込めるのも魅力です。基本的に病棟の患者さんを受け持たないので、土日祝日一年中患者さんのことが気になってしまって心の休まる日がないという人にもオススメです。放射線科=読影というイメージが強いかもしれませんがデスクワークばかりではありません。動注化学療法や出血に対する塞栓術、PTA、血管内異物回収、CTガイド下生検・ドレナージなどなど手技も豊富です。デンバーシャントのように終末期の患者さんに何かしてあげることもできます。カテーテル治療がやりたい人や手技が好きだけど外科はちょっと…といった人にも大変オススメです。
さて、いろいろな人にオススメな放射線科ですが、数ある放射線科の中でもこと筑波大学放射線科に関しては頭のてっぺんから足先まで全身を守備範囲としたGeneral Radiologistを極めたい人にオススメです。各科読影になりがちな単純写真の読影も行っていますし、超音波も放射線科が担当しているなど経験できるモダリティが豊富です。何よりSuper General Radiologistこと南教授をはじめ、著名な画像診断のエキスパートに手厚い指導をしていただけます。勉強会の多い東京から少し遠いのは不利ですが、今はつくばエクスプレスがあるのでそれほど問題になりません。
Generalistというと便利屋さんとか何でも屋さんという、ともするとあまりよくないイメージもあるかもしれませんが、Generalistにしかできない発想や手技もたくさんあります。Specialist としてのGeneral Radiologistを目指したい人は是非一度見学にいらしてください。

内川容子

チーフレジデント(卒後5年)
院外研修について 私が研修をさせて頂いた一般病院は茨城県立中央病院と埼玉県立小児医療センターです。 茨城県立中央病院は県の癌の拠点病院でもあり、PET-CT検査および読影も手掛けているため、他県からもたくさんの癌患者が訪れます。手術数は附属病院に匹敵し、救急患者も多く、大学ではあまり目にする事のなかった急性期の虫垂炎、急性膵炎、術後のイレウスなどの一般的な救急疾患を毎日のように読影していました。また血管造影、IVRも盛んで、骨盤骨骨折や外傷性の脾臓破裂による出血など、CT・MRIを読影し疾患を指摘し、さらに治療にまで関わる事が出来ました。このフットワークの軽さはやはり一般病院ならではと思います。 埼玉小児医療センターはその名の通り小児の専門病院です。私が研修していた時期にはちょうど小児専門の指導医が不在だったので、レジデントのうちに出来るだけ全ての領域を万遍なく勉強出来るようにとの教授からのご配慮で半年間お世話になる事が出来ました。小児科での主役は何と言っても超音波です。腸重積、肥厚性幽門狭窄のみならず、虫垂炎、リンパ節炎、停留精巣探し、場合によっては悪性腫瘍のフォローアップ、なんと扁桃腺や胸腺までが対象となり、カルチャーショックの連続でした。 一般病院と附属病院との違いは他科の医師との距離の近さです。附属病院では教育のためにどうしてもある程度組織だった行動をとる必要があり、放射線科対他科という図式が強調されがちですが、一般病院ではまず医療者対患者ありきだと、尊敬する先輩が私に教えて下さいました。まさにその通りで、私達医療者は一丸となって患者により良い医療を提供するのだ、という意識がより明確で、科と科の隔たりをあまり感じる事がありません。それゆえに、例え専門医でなかろうとも病院の一員であるからには戦友としての扱いを受けます。力不足で戸惑う事も多々ありましたが、チーム医療の醍醐味をたっぷり味わう事の出来るのが一般病院です。附属病院を出る時には頼りになるスタッフの先生方と離れるのが不安で堪りませんでしたが、このような研修の機会を与えて下さって本当に感謝しています。
茨城県立中央病院

斎田 司

人間総合科学研究科4年(卒後10年)
大学院について 現在大学院四年目で今年度をもって卒業予定です。大学院には筑波大学放射線科での6年の研修期間の後に入学しました。外病院と大学病院の非常勤医として勤務し、平行して研究活動を行っています。現在はMRIでのファントム実験を行っていますが、これまで動物実験や臨床研究など様々なことを経験しました。大学病院では苦手な脳神経MRIとSubspeciallityにしたいと思っている婦人科のMRIの枠に入れていただき、勉強を続けています。担当教官はもちろんのこと、すべての講師の先生方に研究や論文執筆、学会発表、日々の勉強・・・etc.大変お世話になっています。また私生活では大学院入学とともに第2子の子育てが始まりましたが、これまでの研修医期間とは異なり自分のペースで仕事や研究ができる環境で公私ともに充実した院生活を送っています。

檜山貴志

フェロー(卒後8年)

海外留学について 組織的な若手研究者等海外派遣事業の一環として、3ヶ月間フランスのボルドー大学、Pellegrin病院神経放射線科に留学させていただきました。海外の放射線科は規模が大きく、神経放射線科・小児放射線科・骨軟部放射線科などさらに部門が細分化されており、人材が豊富にそろっているという印象です。神経放射線だけでもチーフレジデントとスタッフで7人います。毎朝教育的なカンファがあり、月曜には前教授が来て興味深い症例や教育的な症例の検討会、火・木には神経放射線科スタッフによる講義、水曜には整形外科との合同カンファ、金曜は論文の抄読会があり、教育に力が入っています。神経内科や脳神経外科、耳鼻咽喉科との合同カンファもあり、症例をたくさん見ることができました。放射線科ローテーターのほか、脳神経外科や眼科のレジデントもローテートしています。また、学生さんもおり、抄読会や症例提示はローテーターと同様に扱われ、積極的に学習しています。チーフレジデントになると専門分野を持つので、朝のカンファの進行や解説、講義をしたりと、主体性を持って活動しており、同じチーフレジデントとして、非常に刺激になりました。私も篩骨洞の画像解剖をテーマに、講義をさせていただきました。 週末にはボルドー市内や近郊の町へ観光に行くことができました。ボルドー自体が世界遺産となっており、とてもきれいな町並みなのですが、近郊にはワインで有名なサンテミリオン(これも世界遺産です)やヨーロッパで最も高いピラ砂丘など風光明媚なところがいっぱいあり、充実した留学生活が送れました。 海外での研修はより刺激的で、放射線科の研修もそうなのですが、文化や価値観の違いなど生活面でも多くこのことを体験することができました。例えばスーパーの中では清算前からパンを食べ歩きして、袋だけレジで出すなど、日本では考えられない、新しい発見の連続でした。こういったことも留学の楽しみの一つではないかと思います。

渋谷陽子

つくばセントラル病院放射線科医長

女性医師枠について

「女性医師枠」とは、筑波大学附属病院が取り組んでいる、プライベートライフと仕事を両立しながら、単なる人手ではなく、専門職としてやりがいを感じながらキャリアを重ねていける「キャリアアップ支援システム」の一環として設けられた人員配置の特別枠です。この特別枠を利用することで、定数+αの人員を確保することが出来、何かと忙しい日常診療に際して、何らかの理由でフルに働けない医師にとっても、また、そのサポートをせざる負えない周囲の医師にとってもメリットがあるというものです。
私は、後期研修終了後、約1年間半、女性医師枠で大学に在籍しました。(詳細は、http://www.s.hosp.tsukuba.ac.jp/iryojinGP/iryoGP2/index.html )子育て中は、何かと予測不可能な事態に遭遇することがままありますが、後期研修中も含め、医局の先生方には仕事の配分やオンコールなど、その時の状況にあった柔軟な対応をして頂き、放射線科医としての到達度を落とすことなく、研修を終了できました。
現在は、卒後8年目ですが、つくばセントラル病院に常勤医として勤めています。常勤の放射線科医は私一人ですが、週に3回大学より外勤の先生方に来ていただき、子育てしながらですが、医長として頑張っています。つくばセントラル病院ではCT/MRIの読影に加え、超音波、血管造影、消化管造影などgeneralに画像診断・IVRの業務をこなしています。一日中、モニターの前で座っていられない性分の私にとって、大変有り難いことであり、様々なモダリティを駆使して診断出来るというのは、general radiologistの強みです。
無理なく、楽しく、仕事と共に人生も謳歌する。そんな雰囲気が伝われば、幸いです。

原 唯史

講師
「住めば都」 つくばのここが素晴らしい つくばに来て一年が経ちました。住んでみて気付いたことをいくつか挙げてみます。 計画的に造られた街なので住環境はよく、日常生活において不便を感じることは少ないです。電柱のない広い大通りやペデストリアンデッキといわれる広い歩行者専用道路が整備され、池があるような広い公園も多くあります。ちょっと古くなった部分もありますがさすがに街並みはきれいです。つくば市内の移動手段は自動車が中心ですが、自転車でもかなりの範囲を移動可能です。ペデストリアンデッキは自転車通勤や散歩にもよく、自身の経験では飲み会の後に気分よくここを歩いて帰ってしまうこともあります。 研究学園駅の近くにイーアスという巨大なショッピングセンターが数年前にできており、隣にコストコもできるというウワサがあります。また来年はつくば牛久インターにイオンモールもできます。阿見のアウトレットも30分ぐらいで行けます。学園都市らしく夜の街はあまり期待できないのですが、学生相手の居酒屋はあります。 つくばエクスプレス開業の影響は大きかったようで、駅周辺のマンションや家が増加中です。新宿での東京レントゲンカンファレンスに行くには1時間半ほどかかります。学生の2~3割は電車通学らしいです。 市中心部の学校はレベルが高いとされています。実際につくば育ちの人に聞くと、学校での授業や教師は普通で特別なことは何もないが、生徒の親に研究者が多い学区があるのは確かとのことです。中心部には公立や私立の保育園や幼稚園がそこそこあり。近年増えたそうです。子供の保育園探しに苦労はしませんでした。 まわりに何もないせいか、よく強い風が吹いています。冬は乾燥しており朝は氷点下で、風が吹くとさすがに寒いです。スタッドレスタイヤ無しで過ごしましたが、使用している人もいます。冬は病院から富士山が見えます。ちょうど夕日の方角なので夕焼け空に富士山がきれいです。 個人的には、きれいな計画都市から大通りを一本隔てると、のどかな田園風景や里山が広がっているところが特に気に入っています。
附属病院から望む筑波山

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